Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
そして
「和田っ」
と、叫んだ。それは、丁度、和田が
「高木、逃げろ」
と、叫んだのと、同時であった。
「手向いするかっ」
一人が、腕捲りした。一人は、柄へ手をかけた。三人とも、高木の腕に、一寸、恐れながら、それでも、隙を窺っていた。
和田は、頭の毛を掴まれた。その掴んでいる手を、掴み返しながら
「これが――」
と、云った時、一人の手が、自分の腰から、刀を抜き取ろうとしているのを、腰に、感じた。和田は、柱を掴んでいた手を放して、刀を握りながら
「士を召捕る作法かっ」
と、叫んだ時、五六人もの手が、肩へ、襟へ、腰へ集まって来て、門の中へ、引き摺り込んでしまった。
「高木、逃げろっ」
「黙れっ」
びしっと、頬に音立てて、熱さを感じた。
「無礼者」
和田は、激怒に、狂人の如く、昂奮して、動かない両手を、力任せに振ろうとした。その手へ、腰へ、細引がかかったらしく、肌が、肉が、きりっと、痛んだ。そして、身体が、軽くなったと、感じた時には、両手が動かなくなっていた。肩からも、胴にも、縄がかかっていた。
「不届者が」
一人の士が、正面から、和田を睨みつけていた。和田が、睨み返すと