Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
大家は、呟いて、引返した。そして、南玉の家の表から
「今のは、誰だえ。師匠」
南玉は、黙っていた。
「御奉行所から、お達しのあるまで、係り合いの者は、一足も動いちゃならねえと、この長屋の者まで、出ないでいるのに――困るなあ、私だって、忙がしい用事を控えて、そのために、こうして、来ているんだよ。一体、何処の奴だえ、あの野郎は?」
「聞いてみな」
「誰に?」
「あの野郎って野郎に」
「変に、突っかかりなさんな。外のことじゃあねえ。何んなことになるかも知れないよ。大捕物の係り合いだからのう」
「大捕物が、怖くて、高座で、板が叩けるけえ」
「南玉さん」
「今日の南玉は、いつもの、南玉たあ、ちがうぞ」
大家は、黙って、引返した。
「だんだん人気が、悪くなるよ。喜さん、近頃は、物騒だねえ。黒船は来るし、変な浪人がうろうろするし――」
大家は、呟きながら、向う側の家へ入って行った。
萌出る物
謹慎の意を表して、二尺ぐらいの長さの木に、小さく、高崎五郎右衛門の墓、と書いてある、墓標の木が、土の下から、半分、現れていた。
二人の人夫は、鋤で、土を掻き分けて、埋めてある死体を掘り出していた。