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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

。

自分で頸を突いた人も、介錯人に首を打落させた人も、その首を継ぐために、幾重にも、白布を巻いていた。半分開いて、白く剥き出している眼、睫毛が抜け落ちた眼瞼の中から、微かに、人々を眺めている眼。合掌した掌。その掌の珠数、持物、脇差、香花――そんなものが、棺の中から持ち出されて、棺の上に置かれてあった。

誰の顔も、生前とは変っていた。肉が落ちてしまっていたし、色が変って、斑点が出来ていたし――そういうものを、掘り出して見ることは、死んだ人へ最大の恥辱を与えるのだ、という感じが、人足の頭へも感じられた。見るべからざるものを見、見すべからざるものを見せた――お互に、憤り、恥ずべきものであった。

「小屋番に、斬らせるか」

と、侍がいった時、国分猪十郎の首が、布を解かれて、土の上へ転がったらしく、一人の足軽が、拾い上げて、鼻をつまみながら

「御検分」

と、叫んだ。その途端、群集の中から

「礼を存ぜぬか、礼を。たわけがっ」

と、叫ぶ者があった。それと一緒に、群集が、口々に、何か云いつつ、どよめいた。足軽は、鼻をつまんでいた手を放して

「臭えからの」

と、呟いた。

「足軽などに、斬らせては、却って悪口を吐くであろう。