Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

庄吉は、こういって、深雪の、俯向いている顔を覗き込みながら

「立派に、仕遂げて来なせえ。あっしゃあ、蔭ながら、祈っておりやすぜ――さよなら、いろいろ、いいてえことがあるんだが――」

庄吉は、懐へ入れていた手を出して

「まあ、よしやしょう。若旦那、長々の、おつき合いで、あっしのような――や、やくざ者を――」

庄吉は、だんだん俯向いて、泣声になってきた。

「わしが、手首を折ったのに、それを恨みもせず――よく――よく、つくしてくれた。何も、今生で、礼ができんで、心苦しいが、あの世から――」

小太郎も、俯向いた。南玉は、手拭で、鼻の下をこすっていた。

「深雪さん、そいじゃあ、お別れしますぜ」

庄吉は、立ちかけた。そして、又、坐って

「操を破ったって――ねえ、何んな、ぼろを下げたって、仮令、夜鷹、辻君になったって、惚れた女は、惚れた女――として、ねえ、惚れた上は、鼻が欠けても、盲になっても、惚れ止めねえのが、本当の、男の、恋ってもんだ。あっしゃ、そうだ――さよなら、もう、お目にかかれるか、かかれねえか? あっしの死ぬのが早いか、深雪さんの死ぬのが早いか――人間、二度たあ、死なねえや。