Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

「誰?」

「お開け下さいまし」

南玉は、心の内で、神に祈りながら、街を見ると、微かに、灯影が、近づいて来た。

(あれであってくれ)

と、思った時、戸の上の方についている小さい窓が、開いて

「誰方?」

「小藤次様は、御在宅でございましょうか」

「親方かい? 貴女は?」

「深雪でございます」

「深雪?」

「お目にかかりとうて、夜更けに参りましたが――」

南玉は、戸に、背をつけて、近づいて来る提灯が、二つなら、益満と、庄吉――。

(もし、そうだったら、袖を掴んでも、中へは入れねえぞ)

と、足を構えていた。だが、提灯は、三つであった。

(駄目だ)

「親方は――今夜、御殿泊りだけど」

そういいながら、下職は、じっと、深雪をすかし見た。南玉は

(しめたっ)

と、心の中で、叫んで

「じゃあ、いくら恋しくったって、仕方がねえ、明日になさい、ね」

「深雪さんなら、御殿へ行って、知らして来らあ、近えから――入って、待っててくんな。おーい。三公っ」

職人が、叫んだ。そして、戸を開けようと、掛金を外すらしく、ことこと音がした。深雪は、宿直と聞いて、ほっとした、と同時に

(戻って、明日のことに)

とも、思ったし