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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

女郎は、何っかへ、皆逃げっちめえやがっただろう。大広間で、一つ、一人で暴れてこまそと、八つ山まで行くと、抜身の槍だ。成る程、物騒だ、と、木戸を抜けて、入口へかかると、お前、でんでん、太鼓を叩いて遊んでやがらあ。嬉しくなっちまった。江戸っ子だねえ。臍の曲ってるところが、おもしろいじゃねえか。黒船が来るっていうのに、お前、わざわざ品川へ行って、遊んでいるなんざ、これ、人間業じゃあねえぜ」

「ここへ来ている奴等も、一寸、変ってるのう」

「俺は、お前、嬶に、こんな晩、妾を見すてて、寄席へ行くなら離縁してもらいましょう、と、いわれてね。ぽかんと、撲って、走って来たが――南玉の野郎、一世一代、この世の別れとは、何んだろう」

「長い馴染だから、実は、俺も嬶に叱られながら、やって来たが、おかしな奴だからのう」

町内で、顔馴染の人々が、二三十人にもなってきた。茶を飲んだり、臥たり、話をしたり――そのうちに、一人が、手を叩いた。二三人が、つづいて叩いた。客は、時々、未だ入って来て、お互に、挨拶しながら、世間の騒ぎと、江戸っ子だということと、南玉を助けてやろうということとを、又話した。