Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
身を捨ててこそ、浮む瀬も――いや、こいつもいけねえ、浮む瀬も、沈む瀬も考えねえで、正面から、やっつけるんだ。ええ、判りやした。ようござんす。えらい、御覚悟で、あっしゃあ、鼻ぺちゃだ――成る程ねえ。武家育ちだけに、ちがったものだ」
庄吉は、首を振って
「然しね、お嬢さん、あっしを、先に、死なして下せえよ。これが、お頼みだ。万一、お嬢さんが、先だったら、あっしゃ、生きていねえが――こいつは、心中じゃござんせんでしょう」
「それは、その時の運次第、一緒に、死ぬかも知れないから」
「一緒にね――一緒に」
庄吉は、微笑して
「さあ、来いっ、月丸。野郎、出て来いっ。何うどすうーってんだ」
と、叫んだ。
「お頼み申します」
と、深雪が、声をかけた。
「お嬢さん」
南玉の声が、障子の内でした。
「師匠がいる――師匠」
障子が開いて、南玉の姿が現れると同時に、深雪は、小太郎と、義観の、眼を見た。深雪は、膝のところまで、両手を下げて、義観にお叩頭した。
「これは、これは、さ、上るがよい。其処から上るがよい」
義観が、笑って、声をかけた。南玉が
「月丸に、逢わなんだかい?」
と、庄吉に囁いた。