Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
そして
「江戸から、早馬が参って――」
と、庭を見ながら
「いよいよ斉彬公、御相続と、決まりましたが、それに就て――」
老人は、扇を、閉じて、牧の方へ向き直った。牧が、
「ははあ」
と、頷いた。
「万一、貴殿に、不慮のことでもあってはと、一党心ならずの心痛で、暫く、何れへか、身を――」
「忝のうござる」
牧は、冷やかに答えた。そして、
(昨日まで、斉興に忠義立てして、当主が代ると、又、斉彬の味方になる――頼むまじき人心)
と、思った。
「当地へも、大分、国許の若い者が入込んで、これが又、刀を抜きたい連中のみで、ござってのう」
「左様」
「物騒な世の中になりましたわい。わしらの若い時、三十年が程は、静かすぎるくらい、静かであったが、近頃は、公卿衆までが、先立って、お騒ぎになるようになりましたのう」
「左様」
牧は、己の信じる兵道などが、若い人々に、一顧もされず、若い人々が、悉く、斉彬の西洋学文に傾くのを見て、憤りと共に、呪い心になっていた。
(善にもあれ、悪にもあれ、己一人は、所信を貫こう。お由羅が、将曹が、よし、斉彬の方へ変更えしようとも、己一人は、兵道の威力をもって、斉彬の化学を破って見せよう。