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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

追手の先頭に立っているのは、二十二三の若者で、白地の稽古着に、紺木綿の袴をつけていた。山内が

「牧殿が入用か」

と、怒鳴った。追手は、それに答えないで、四五間まで近寄った。そして

「吾等有志より、牧殿に申し入れたい儀がござる。御面謁できましょうか、それとも、御伝達下さりましょうか」

「無礼な、その鉢巻は、何んじゃ」

「お互でござろう」

「何?」

「好んで、争いを求めませぬ。牧殿に、何故、御世子を調伏したか? その返答を、お聞き下されい」

「戻れ、戻れっ」

若者の背後の人々が

「問答無益」

と、叫んだ。

「奸賊」

「斬れっ」

「斬れっ」

若い人々は、お互に、興奮しながら、他人を押し除けて前へ出ようとした。

「山内を存じておるか」

山内が、崖の端へ立って、若者へ笑いかけた。

「お手前など対手でない。引込め」

「牧に尻っぽを振って、ついて参れ」

山内は、さっと赤くなった。刳形へ手をかけて、つかつかと、前へ出ると、若者達は、二三歩退いた。

「恐ろしいか」

山内は、真赤な顔をして、睨みつけた。その瞬間、背の低い一人の若者が、水に閃く影の如く、人々の袖の間を摺り抜けて出て

「ええいっ」

懸声と同時に、ちゃりんと、刃の合った音がした。