Japanische Klassiker mit Furigana
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らんとうばのてんにょ
卵塔場の天女
泉 鏡花
Lesen Sie 卵塔場の天女 (らんとうばのてんにょ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.251 Zeichen · 94 Bildschirme
」
「うむ、だって。」
「もうちっと驚かなくっちゃあ。……いきなり、お能の舞台から墓所じゃアありませんか。そこへ私が暗中に出たんだもの。」
「何だか来そうな気がしていた処だからね。」
「ええ、私もここに兄さんが居そうな気がしたんですよ。兄さん、御堪忍ね。あれ、煙草を喫んでるんですね。」
「墓を手探りで、こう冷い青苔を捜したらね、燐寸があったよ。――今朝忘れたものらしい。それに附木まであるんだ。ああ、何より、先生はどうした、槙村さんは。」
私は約束で息を呑んだ。
「先生はね、とにかく、雪代がおともをして、おもてなしをしています。」
嘘を吐け。――
「どこで。」
「一柳亭で。」
「また一柳かい。いや、それにしても可羨しいな。魂を入かえたいくらいなもんだ。――もっとも、魂はどこへ飛んだか、当分解らないから、第一その在処を探してかからなけりゃならないけれどね。」
「だから、お墓所へ来ているじゃありませんか。」
「まあ、そんなものか。――ああ、それにしても羨しい。」
「串戯はよして、ほんとうに兄さん、堪忍してね。」
「何をさ。」
「だって、あんな処で、兄さんを打ったりなんか。」
「いや、その事なら、かえって礼をいう。