Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
今の日本の文芸家のどんな人たちをでも、闇のカツギ屋や、狂人たちにたとえようという気は私にありません。ただ、私どもの間の悲劇や恐怖の性質が、これらにすこし似ているような気がしたので書いただけです。同時に、三百人の闇屋の中に闇屋でない唯の人間が一人まじっていると、場合によって、その一人の方が「人でなし」になってしまったり、五百人の狂人の中に正常者が一人で立っていると、時によって正常者の方が「キチガイ」になってしまったりする事があることも、私どもの参考になりますし、そして、これもまた、恐怖をそそることがらですから書いただけです。
悲劇は、ありがたいものではありません。恐怖は消えた方がありがたいです。つまり陥没は埋められる方が望ましい。というよりも、意識的無意識的に、私たちは埋める仕事をせざるを得ないのです。陥没を陥没のままに捨て置いて、その上に立っていることはとても耐えきれることではありません。すくなくとも、私は耐えきれません。私が前述のようなエッセイストとしての自身の不適格や不利を押し切って、このエッセイを書きつづけるのも、この埋めようとする努力の一つであるようです。