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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme

Aozora Bunko

いえ、……もう内にはお金がまるでないのです。拵えるあてもありません。あれだけの子供達がもうじき食べ物も着る物もなくなります。そのうちにお江戸にたずねて行くかも知れませんから、どうぞお世話して下さいな。

お蔦 まあ、それで! いけません。第一、何か芸が出来ますかえ?

お妙 あい、お琴を少し習いました。それから仕舞いを少しばかり。

お蔦 琴と仕舞ですって! ホホホ、駄目々々。全体、芸者になろうなどと、悪い了見。金がなければ仙さんに相談なさい。仙さんにいつまでもここにいてお貰いなさい。仙さんは……。(フィと奥の間に去る)

(取残されたお妙は炉端に坐ったまま、ジッと前を見詰めたまま考えている。――永い間――遥か遠くにかすかな銃声と、さらに遠雷のように響く砲声一、二。……)

(戸口からフラリと入ってくる仙太郎)

仙太 ……おお戻っていたのか、お妙さん。……どうしなすった? 顔色が悪い。

お妙 仙太郎さん、その寄場の人達というのはどうなさったのすえ?

仙太 あんたも知っているのか。……ことわった。しかし、……帰ろうとは、どうしてもしねえ。

お妙 ……では、あなたは筑波勢の方へ行くのは、すっかりやめてしまったのかえ?