Japanische Klassiker mit Furigana
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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
Lesen Sie 古句を観る (こくをみる) von 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.028 Zeichen · 333 Bildschirme
そうすればまた一句の連想が複雑になって来る。あるいは霞む日の空を遠い背景として、水洗をした紅絹がそこに干してある、その紅の眩いような感じを捉えたものとも解せられぬことはない。一句の主眼は春の日を集めた紅絹の眩さにあるのだから、他は各自の連想に任せていいようなものであるが、姑く前のように解して置く。
黙礼の跡見かへるや朧月 柳之
夜道を歩いて行くと、黙って御辞儀をする人がある、此方も礼を返して行き違ったが、何歩か行ってあとを振返って見たら、今の人は朧月の下を向うへ歩みつつある、といったような趣かと思う。相手は誰であるかわからぬ、御辞儀をするから此方でも御辞儀をしたものの、訝しいような気がして振返ったものとも解せられる。それほど面倒に考えずに、黙礼をしたまますれ違った人を、少し行き過ぎてから振返った、というだけでもいいかも知れない。何とも挨拶せぬために、いくらか無気味な影が附纏うようだけれども、その人を怪しむというほど強い感じでもなさそうである。
人通りなどのあまりない場所であろう。朧月の下に顧る人影の、遠からずしかも明ならざるところに一種の趣がある。