Japanische Klassiker mit Furigana
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こじょうのまひる
古城の真昼
野村 胡堂
Lesen Sie 古城の真昼 (こじょうのまひる) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.644 Zeichen · 28 Bildschirme
類は友で集まった倶楽部員達は、華族の次男三男坊、金持の息子、文士、美術家、俳優と言った比いばかり、貧乏人は一人もありませんが、その代り社会的に有用な人材も一人もあり相は無いのでした。
「みっちゃんお茶だ、人数だけ」
子爵の声に応じて、衝立の蔭の椅子にかけて居た可愛らしい女給は、静かに立って人数を読んで居ります。光子とか、道子とかいうのでしょうが、倶楽部員の間では、みっちゃんみっちゃんで通る十七八の美人、小柄で愛嬌があって、こんな商売をして居る娘らしくない上品なところがあります。
「面白い事があるよ、解釈次第では、驚天動地の事件なんだが……」
蜂屋文太郎という新聞記者、紅茶の角砂糖を砕き乍ら、独り言ともなくこう申します。何新聞の記者なのか誰も知りませんが、本人が言うのですから、新聞記者をして居ることだけは確かでしょう。磊落で話上手で倶楽部員中の人気者です。
「何んだ何んだ、驚天動地なんて鳴物入りでおどかすのは? イヤに持たせずに、手っ取早く発表したまえ」
これも退屈がり屋では人後に落ちない、会社員の筒井知丸が早速食い付いて来ます。
「玉置子爵の旧領地に起った事件なんだが、話しても構わんでしょうな」