Japanische Klassiker mit Furigana
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ふるむじな
古狢
泉 鏡花
Lesen Sie 古狢 (ふるむじな) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.891 Zeichen · 40 Bildschirme
お信たちのいうのでは、玉子色の絹の手巾で顔を隠した、その手巾が、もう附着いていて離れないんですって。……帯をしめるのにも。そうして手巾に(もよ)と紅糸で端縫をしたのが、苦痛にゆがめて噛緊める唇が映って透くようで、涙は雪が溶けるように、頸脚へまで落ちたと言います。」
「不可い……」
外套氏は、お町の顔に当てた手巾を慌しく手で払った。
雨が激しく降って来た。
「……何とも申様がない……しかし、そこで鹿落の温泉へは、療治に行ったとでもいうわけかね。」
「湯治だなんのって、そんな怪我ではないのです。療治は疾うに済んだんですが、何しろ大変な火傷でしょう。ずッと親もとへ引込んでいたんですが、片親です、おふくろばかり――外へも出ません。私たちが行って逢う時も、目だけは無事だったそうですけれども、すみの目金をかけて、姉さんかぶりをして、口にはマスクを掛けて、御経を習っていました。お客から、つけ届けはちゃんとありますが、一度来るといって、一年たち三年たち、……もっとも、沸湯を浴びた、その時、(――男を一人助けて下さい。……見継ぎは、一生する。)――両手をついて、言ったんですって。