Japanische Klassiker mit Furigana
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ふるむじな
古狢
泉 鏡花
Lesen Sie 古狢 (ふるむじな) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.891 Zeichen · 40 Bildschirme
蒼白になって、お町があとへ引いた。
「お姥さん、見物をしていますよ。」
と鷹揚に、先代の邸主は落ついて言った。
何と、媼は頤をしゃくって、指二つで、目を弾いて、じろりと見上げたではないか。
「無断で、いけませんでしたかね。」
外套氏は、やや妖変を感じながら、丁寧に云ったのである。
「どうなとせ。」
唾と泡が噛合うように、ぶつぶつと一言いったが、ふ、ふふん、と鼻の音をさせて、膝の下へ組手のまま、腰を振って、さあ、たしか鍋の列のちょうど土間へ曲角の、火の気の赫と強い、その鍋の前へ立つと、しゃんと伸びて、肱を張り、湯気のむらむらと立つ中へ、いきなり、くしゃくしゃの顔を突込んだ。
が、ばっと音を立てて引抜いた灰汁の面と、べとりと真黄色に附着いた、豆府の皮と、どっちの皺ぞ! 這ったように、低く踞んで、その湯葉の、長い顔を、目鼻もなしに、ぬっと擡げた。
口のあたりが、びくりと動き、苔の青い舌を長く吐いて、見よ見よ、べろべろと舐め下ろすと、湯葉は、ずり下り、めくれ下り、黒い目金と、耳までのマスクで、口が開いた、その白い顔は、湯葉一枚を二倍にして、土間の真中に大きい。