Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
としながら出仕いたしました。例のようにすぐと訴訟箱をひっかきまわしてみたが、いっこう目ぼしい事件もございませんので、屈託げにあごのひげをまさぐっていると、かれこれもうひけどきに近いお昼ごろのことです。伝六があたふたと駆けつけていったもので――。
「ねえ、だんな。ちっとどうもおかしいじゃござんせんか。ゆんべ八丁堀のほうにやって来たあのちっこい小娘が、まただんなを名ざしてたずねてきましたぜ」
名ざしといったものでしたから、ますますいぶかしさをおぼえまして、すぐと右門が立とうとすると、しかし伝六が押えていいました。
「まちなせえよ、まちなせえよ。そんなに目色をお変えなすったってだめですよ。ね、小娘のくせに、いよいよもって、どうもふざけたまねしゃがるじゃござんせんか。今はらちがねえにしても、五、六年たちゃそろそろ年がものをいうからね。だんなに気があるならあると、すなおにいやいいのに、あっしの顔みたら、またまっかになって、いちもくさんに逃げてきましたぜ」
と――、聞き終わるやいなや、むっつり右門がどうしたことか莞爾とばかり微笑を見せていましたが、まもなく例のごとくにかれ一流の意表をつく命令が、疾風迅雷的にその口から放たれました。