Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども、たとい非役であったにしても、このぷきみな怪談を耳に入れて、いまさら出仕などゆうちょうなまねが、なぜにしていられましょうぞ! 手に材料がないだけに、一歩敬四郎に先んじられているだけにいっそう競争意識をあおられましたので、かれは病気のていにつくろって、当分出仕ご免の許しを得ておくと、心を新たにして事件に向かおうと思いたちました。こういうときに、すなわち、心を新たにしようというときに、いつも右門の取る方法は、碁盤に向かうことです。お打ちになられるかたがたはご存じのことと思いますが、心に煩悶の多いときに、ないしはくふうのつかない事件なぞがあるときに、まず端然と威儀を改め、それからおもむろに心気を静めて盤に面し、しかるのちに、あのかぐわしきかやの木の清浄なかおりをたしなみながら、ひんやりと手に冷たい石をとりあげて、戞然と音たてながら打ちこんで行くことは、まことに颯々爽々として心気の澄み静まるもので、だから右門はちゅうちょなく盤に対しました。腕は職業初段に先というところ――したがって、石の音は真に戞然と高い!

と――まことに人は碁のごとき清戯をも覚えておくものですが、その第一石の石の音が終わるか終わらないうちに、ふと気がついて、右門はおもわず、なんのことだ! そう吐き出すように大きく叫びました。