Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
たが、しかしさすがは生き馬の目を抜くお江戸のまんなかで育った職人でした。
「八丁堀のおだんながたでござりまするか」
早くも右門主従をそれと知ったらしく腰を低めましたので、名人もまたおごそかにきき尋ねました。
「藤阿弥は在宿か」
「へえい。急ぎの注文がござりますので、まだ起きてでござります」
「少しく調べたいことがあるによって、取り次ぎいたせ」
「いえ、参ります。ただいまそちらへ参りまするでござります」
きき知ったか、奥の仕事べやから、両手をどろまみれのままで、当の藤阿弥がいかにも名ある人形造りらしい風貌をたたえながら、取り次がぬ先に姿をみせましたものでしたから、こわきにしていた髪の毛をつきつけると、鋭く問いただしました。
「この髷の都ぶりに結いあげているところから察して、たぶんそのほうが手がけた品じゃろうと、かく夜中わざわざ詮議に参ったが、覚えはないか」
受け取って、丁子油のにおいをかいでいたようでしたが、名人の慧眼やまさに的中――。
「お察しどおりでござります。たしかに、てまえが注文をうけまして、さる人形に植えつけた品にござります」
第一の手がかりがついたものでしたから、いかでそのことばのさえないでいらるべき!