Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
柳橋から両国橋を渡って、大川沿いに土手を左へ曲がりながら、そこの回向院裏の横堀の奥へどんどんと急ぎました。
突き当たりに小さな小屋がある。
軒は傾き、壁はくずれて、さながらに隠亡小屋のような気味のわるい小屋でした。もちろん、ただの小屋ではない。じつに、この横堀こそは、秋の隅田に名物のあの土左衛門舟が艫をとめる舫い堀なのです。川から拾いあげた死体はみんなここまで運び、引き取り人のある者はこの小屋で引き渡し、身寄りも縁者もない無縁仏は、裏の回向院へ葬るのがならわしでした。
だからこそ、中は火の気一つ、あかり一つないうえに、気のせいばかりでなく死人のにおいがプーンと鼻を打ちました。
その暗い小屋の中へどんどんはいっていくと、名人はすましていったものです。
「なにはともかく、腹をこしらえるのがだいいちだ。遠慮せずと、おまえもおあがりよ」
「冗、冗、冗談じゃねえですよ。気味のわるい。弁当どころか、あっしゃ気味がわるくて、も、も、ものもいえねえんですよ」
「そうかい。でも、おいしいぜ。ほほう、いま食ったのはどうやら卵焼きらしいや、暗がりでよくはわからねえが、なかなかしゃれた味につくってあるよ。