Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
気を大きく持っていなくちゃいけないよ」
「…………」
「なんだね。泣いてばかりおって、しようがないじゃないか。もう少しのしんぼうだから、しっかりしておいでよ」
しんしんとただひたすらに泣きつづけているお冬をしきりといたわり慰めているところへ、けたたましく表先で呼びたてたのは、まさしく伝六でした。
「どこだ、どこだ。入り口ゃどこだよ。この家にゃ目も鼻もねえじゃねえか。ちょうちんをつけな! ちょうちんをな! 観音さまへ行きゃ大きなやつがぶらさがっているから、なければあれを借りてきなよ」
「あッ、お越しだ。ただいま、ただいま。ただいまおあけいたします……」
あわててお冬が奥のへやへ駆け込んだのといっしょに、黙々としてはいってきた名人を見ると、越後上布におとし差し、みずぎわだった姿に変わりはないが、その顔いろに曇りが見えるのです。何を訴えて依頼したか、書面のうちに書かれてある変事に対して、何か気に染まぬことでもがあるらしい顔いろでした。
「ようこそ、お出ましくださりました。てまえが幸吉、わざわざお呼びたていたしましてあいすみませぬ」
「…………」
「あの、あの、てまえが書面のぬしの幸吉でござります。