Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme

Aozora Bunko

「早く! 早く! 早くしておくれ! 大急ぎだよ! 川を越したら駕籠をを飛ばしてね、このあて名のところへすぐ行っておくれ」

「わかりました。八丁堀ですね」

「ああ、八丁堀だよ。右門のだんなさまといやあ、すぐわかるはずだからね。ほら、お使い賃をあげます。人に知られると、女房が、いや、女ひとり死ぬようなことになるかもしれんからね。右門のだんなさまにも、なるべくこっそりこの書面をお渡ししておくれ――」

秘密秘密と、ひたかくしに隠しているところをみると、よくよく穏やかならぬできごとに相違ないのです。ザアッ、ザアッと、いまだにふりしきる夕だちの中を、雨がっぱにくるまった寺男の姿が、ぬれつばめのように土手の向こうへ消えました。

2

待つ身には、四半刻が二刻にも三刻にも思えるような長さでした。

とっぶり暮れてしまえば、向島もこのあたりになると、まったくもう灯の影もない。

雨はやんだが、そのかわり、夕だちあとの夜風が出たとみえて、ざわざわと岸べの蘆が気味わるく鳴きながら、まだ暮れたばかりの宵だというのに、まるで深夜のようなさみしさなのです。

「だいじょうぶだいじょうぶ、今さらくよくよ心配したとてどうなるもんでもない。