Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
それをいうんです、それをね。あっしがしゃべりだすと、かれこれいばった口をおききなさるが、このとおり伝六の話にはむだがねえんだ。ちゃんと筋が通って、ひと口飲んだら身の毛がよだつというこくのある話をするんですよ。くやしかったら、とっくりあごをなでて考えてごらんなさいまし……」
なるほど、不思議至極、奇怪千万な話です。伝六のいうとおり、平牢の、それもおおぜい投げ込み牢の中では、牢つきあいの悪い者、牢名主にさからった者なぞは、深夜、さかつるし、水責め、あるいはまたふとん蒸しなぞの牢成敗に出会って、囚人が囚人に殺される例はままあることでした。しかし、刃物で切られたというためしはない。あったとしたら、いかさまがてんのいかぬことです。おのずと名人もいろめきたちました。
「かぎのぐあい、外からはいったものがないかどうか、入念にお調べでござったろうな」
「それはもう仰せまでもござらぬ。なにより肝心なこと、念に念を入れて調べたが、さらに外よりはいった形跡がござらぬゆえ、不審に耐えぬのじゃ」
「見つけたのはいつごろでござる」
「ほんのいましがたじゃ。丑満に見まわったときはなんの異状もなかったのに、明けがた回ってみると、十九人がひとり欠けているのじゃ。