Japanische Klassiker mit Furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme
」
「マア待ちますまい、癖になるから。」
と言われて、叔母は盤面を見渡してしばらく考えていたが、
「それじゃ投げましょう。そこが切れては碁にはなりませんもの。」
「まずそう言ったような形だね。」
そこで叔母は投げ出した。これから改まって挨拶が済むと、雑談に移り、武は叔父叔母さし向かいで、たいがい毎日碁を打つ事、娘ふたりはきょう上野公園に散歩に出かけた事など聞かされた。
右の次第で徳さんの武もついに手をひいて半年余りもたつと、母はやっぱり気になると見えて、どうにかして石井さんを説き落としてくれろと頼む。そこで武も隠居仕事の五円十円説では到底夫婦さし向かいの碁打ちを説き落とすことはできないと考え、今度は遊食罪悪説を持ち出して滔々とまくし立ててみた。
石井翁はさんざん徳さんの武に言わしておいたあげく、
「それじゃ、山に隠れて木の実を食い露を飲んでおる人はどうする。」
「あれは仙人です。」
「仙人だって人だ。」
「それじゃ叔父さんは仙人ですか。」
「市に隠れた仙人のつもりでおるのだ。」
これで武はまたも撃退されてしまったのである。
下
さて石井翁は煙草一本すいおわったところでベンチを立とうとしたが徳の遊食罪悪説がちょっと気にかかりだしたので、また一本取り出してすい初めた。