Japanische Klassiker mit Furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme
この人々は大概、いわゆる居所不明、もしくは不定な連中であるから文公の今夜の行く先など気にしないのも無理はない。しかしあの容態では遠からずまいってしまうだろうとは文公の去ったあとでのうわさであった。
「かわいそうに。養育院へでもはいればいい。」と亭主が言った。
「ところがその養育院というやつは、めんどうくさくってなかなかはいられないという事だぜ。」と客の土方の一人が言う。
「それじゃア行き倒れだ!」と一人が言う。
「たれか引き取り手がないものかナ。ぜんたい野郎はどこの者だ。」と一人が言う。
「自分でも知るまい。」
実際文公は自分がどこで生まれたのか全く知らない、親も兄弟もあるのかないのかすら知らない、文公という名も、たれ言うとなくひとりでにできたのである。十二歳ごろの時、浮浪少年とのかどで、しばらく監獄に飼われていたが、いろいろの身のためになるお話を聞かされた後、門から追い出された。それから三十いくつになるまで種々な労働に身を任して、やはり以前の浮浪生活を続けて来たのである。この冬に肺を病んでから薬一滴飲むことすらできず、土方にせよ、立ちん坊にせよ、それを休めばすぐ食うことができないのであった。