Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
そして、恐らくは、更に恐ろしい悪事を計画していることでしょう」
恒川氏はまだ、明智の様にそれを信じ切ることは出来なかった。どうも、歯型だけではないらしい、明智はもっと色々なことを知っているのではなかろうか。
「では、園田黒虹は、なぜ文代さんをおびき出したり、風船に乗って逃げたり、変な真似をしたのでしょう。君は、歯型なんかよりは、ずっと有力な、この事実を認めないのですか。あれが犯人でないとおっしゃるのですか」
警部は、どうしても変質小説家が思い切れぬ様子だった。
「あれは真犯人ではないのです」明智がキッパリいい切った。
「共犯者かも知れません。そうでないかも知れません。いずれにしても、小説家は小説家です、真犯人はもっと外にいる筈です」
警部はそれを聞くと、変な顔をした。この男は、発熱のために頭がどうかしたのではないかと思われて来た。
「僕が途方もないことをいっている様に、見えるでしょう。それです。あなたでさえ、そんな風に考えるところに、今度の犯罪の恐ろしい秘密があるのです。誰が見ても、真犯人はあの小説家に違いないと思う。そう思わせる様に出来ている。賊のずば抜けたトリックです」