Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

恐ろしい鉄のとびらの並んだ有様は、如何にも「地獄の停車場」みたいな感じであった。

棺をおさめると、隠亡が鉄のとびらをしめて、外から鍵をかけた。その時のガチャンという、物すごい音が、考えて見ると、さっきの金属性の音と、全く同じであった。

それから、どうなるのか、くわしくは知らぬけれど、夜になるのを待って、石炭が焚かれ、朝までには、すっかり灰になってしまうとのことであった。

近頃では、その外に、便利な重油焼却装置が出来ている。それは、炉の中へ棺を入れるが否や、四方から火が吹き出して、会葬者が待っている間に、見る見る灰になってしまうという話しだ。だが、今まで何の変ったことも起らぬ所を見ると、これは石炭の炉に相違ない。ひっそりと、静まり返っている様子では、会葬者は皆帰ってしまったのであろう。

隠亡も、夜更けになって、石炭に火をつけるまで、用事もないので、どこかへ立去ったものに相違ない。

アア、こうしてはいられぬ。たとい夜更けまでは、安全であるとしても、炉の中にいると分ったからには、どうしてじっとしていられよう。

生きながら、焼かれる恐ろしさは、思っただけでも身の毛がよだつ。