Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
ハハハハハハハ」
恒川氏も、とうとう声を上げて笑い出した。
「小説といえば、この犯罪は非常に小説的ですね。僕達にはちっと苦手ですよ。登場人物も、唇のない怪物を初めとして、画家だとか、小説家だとか、非実際的な連中ばかりですからね」
「それですよ。いつもすぐれた犯罪者は小説家です。たとえば今の棺の中の手紙の一件にしても、今度の犯人が、非常な小説家であることを証しています。第一、相手の探偵に脅迫状を書くなんて、決して実際的の人間のやる仕草ではありませんよ。僕は第一回の脅迫状を受取った時に、この犯人の性格を見てとったものだから、その心持で、こちらも小説的になって、推理を働かせて見たのです」
それを聞くと、恒川氏はひどく感にうたれた様子で、
「アア、君は生れつきの探偵です。今のお話は、探偵術の虎の巻です。探偵の方で、犯人と同じ心持になる、犯人が学者なら、探偵も同じ程度の学者に、犯人が芸術家なれば、探偵も芸術家に、政治家なれば政治家に、なり切る程の力がなくては、本当の推理が出来るものではありません。しかし、今の刑事達に、一人だって、そのような人物がいるでしょうか。