Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
上野、北川病院にて、三谷。
それを読むと、三谷は真青になって、いきなり玄関脇の電話室に飛込み、惶しく警察署を呼び出した。
手紙にある北川というのは、実在の病院だが、倭文子がそこへ行っていないのは、分り切つている。
では、可哀相な彼女は今頃は、どこで、どの様な恐ろしい目に合っていることであろう。
倭文子は、贋手紙に驚いて、無我夢中であったから、彼女の乗った自動車が、どこをどう走っているのか、少しも気づかなかったが、車が止って、降りて見ると、そこは全く見覚えのない、非常に淋しい町で、病院らしい建物は、どこにもなかった。
「運転手さん、ここは場所が違うのじゃありませんか。病院って、どれなんですの」
倭文子が驚いて尋ねた時には、既に、運転手と助手とが、両側に降り立って、彼女の腕を掴んでいた。
「病院っていうのは、何かの間違いでしょう。坊ちゃんはこの家にいらっしゃるのですよ」
運転手は、平気で、見えすいた嘘をいいながら、グングン倭文子を引張って行った。
小さな門を這入って、真暗な格子戸を開けると、玄関の式台らしい所へ上った。燈火のない部屋を二つ三つ通り過ぎ、妙な階段を下った所に、ジメジメと土臭い小部屋があった。