Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
さっきの怪物が、咄嗟の間に、風体を変えて、通行人に化けて、何気なく逃去るのではないかと思ったのだ。
「エ、何か御用ですか」
その男は、びっくりしたように振返る。警部は無遠慮に、男の顔を覗き込んだが、無論、怪物とは似ても似つかぬ、整った容貌の青年だ。身体の格好から、服装から、何一つ似通った所はない。第一、その青年が怪物でない証拠には、左手右足共に完全で、義手も義足もつけていないのだ。
いやいや、もっと確な証拠がある。というのは、恒川氏が念の為に、その男の姓名を尋ねると、彼は実に意外な答えをしたのである。
「僕ですか。僕は三谷房夫というものです」
それを聞くと、追手に加わっていた、麹町署の巡査が、びっくりして声をかけた。
「アア、三谷さんでしたか。あなたはこの辺にお住いなんですか」
「エエ、ついこの先の青山アパートにいるんです」
「この人なら、畑柳家の知合の人ですよ、ホラ、先だって、上野公園の事件のとき、畑柳夫人に化けて、子供を取り戻しに行った、あの三谷さんです」
巡査は青年を見覚ていて、一同に紹介した。恒川氏も三谷の名は聞いていた。
「今日も夕方まで畑柳にいて、さっき帰って食事と入浴をすませたばかりです。