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Japanische Klassiker mit Furigana

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あづまばし

問はずがたり・吾妻橋 他十六篇

永井 荷風

Lesen Sie 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.586 Zeichen · 159 Bildschirme

Aozora Bunko

兄は家にはいたくない。家を出て新しい生活をするから、嫁は弟のものにして、今まで通り家の用をさせろと言うと、弟の方も同じように兄が生きていては兄の嫁を取ってしまうわけには行かないと言う。話はどうしてよいのかわからなくなった。

次の日、先生の細君が嫁の里へ出かけて行って、兄弟の言った事を伝え、嫁の心持をきいて見ることになった。嫁はお冬さんというのだ。

「お冬さん。どうしたもんでしょう。女同士のことだから、わたしにだけあなたのお心持を遠慮なく言って下さい。あなた、兄さんと元通りになるか、それとも弟さんと一緒に暮すか、どっちがいいと思います。あなたの御返事次第で、どっちとも私達が仲に入ってまとめますから。おとうさんも、おかアさんも皆あなたのいいと思うようにするのが一番いいだろうと云うのです。」

先生の細君はこう言ったら、お冬さんはきっと弟の方がいいというに違いないと、内々心の中ではそう思っていた。その理由は兄はすこし酒癖もよくないのに、弟の方はアルコールは一滴も口にしたことがない。柔道好きで喧嘩早い兄とはちがい、ハーモニカを吹く弟は見たところから物優しく見えた。