Japanische Klassiker mit Furigana
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うそアつかねえ
嘘アつかねえ
山本 周五郎
Lesen Sie 嘘アつかねえ (うそアつかねえ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.523 Zeichen · 24 Bildschirme
にゃアいられねえ、現に旦那がそうじゃねえか。ええ、旦那みてえな人だって、ただむやみに飲みてえから飲むッてわけじゃねえんだ、ねえ、そうでしょう旦那」
「飲むッたって父のはごくときたまだった」松はぐっと呷って云った、「――そうしていくらか気が紛れて帰って来る、酒だけは人間を騙さねえ、飲めばいくらかは気を紛らして呉れる、……だが帰ってみると戸が閉ってるんだ、隙間から覗いたって灯も見えねえ、戸をぴしゃっと閉めてみんな寝ちまッているんだ、……阿母アけえったぜ、父はそっとこう呼ぶんだ、低い声でよ、そおッと指の爪で戸を叩きながら、……阿母アおれだ、あけて呉んな、けえッたぜ阿母ア、済まねえがあけて呉んな、……おふくろは寝ちゃアいねえんだ、眼をさましてちゃんと聞いてるんだ、父はいつまでも呼んでる。トントン、トントン、爪でそっと戸を叩きながら、低い声でそおッと、阿母アけえッたぜ、……嘘アつかねえ、おらあ聞いていたんだ。聞いていて涙が出たもんだ、父ッ戸なんか蹴破ってはいんねえ、此処は父の家じゃねえか、おらあこうどなりたかった、本当に声ッ限りどなりたかった、……けれどもどなるなアおれじゃねえ、いつもおふくろだ、さんざッぱら父に呼ばせてえてから、寝とぼけたような声で誰だえと云う……いまじぶん誰だえ、なにか用があるのかえッてよ、それから