Japanische Klassiker mit Furigana
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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
Lesen Sie 四次元漂流 (よじげんひょうりゅう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.363 Zeichen · 128 Bildschirme
しかし道夫は、家のまわりにかわったことがないことをたしかめた。もちろんあの老浮浪者の姿もなかった。明るい探険電灯で、高い銀杏の梢をてらしてもみたが、老浮浪者の姿はなく、あるのは雁のような形をした葉ばかりだった。
「大したことはなかった。じゃあ、もう家へもどろう」
と、彼は探険電灯の灯を消し、一ぺん表通りへでるため木見家の裏手を通りかかった。
そのとき道夫は、何気なく、木立越しに、雪子姉さんの研究室の方を見た。
と、その研究室の中に、ぼんやりしたうすあかい灯がついているように思った。
「誰だろう、今頃、あの部屋の中を調べているのは……」
刑事たちではなかろう。では誰か家の人だろうか。雪子姉さんのお父さんかお母さんに違いない。
そうは思ったが、道夫は何だかその灯のことが気になって仕方がなかった。それで彼は思い切って、くぐり戸を開くと、お隣の庭へすべりこんだ。そして研究室の方へ近づいていった。
研究室の窓は高かったので、中を全部見ることはできなかったが、庭石の上に乗ってやっとガラス窓から部屋の一部を見ることができた。その刹那、
「あっ、あれは……」
と、道夫はその場に立ちすくんだ。