Japanische Klassiker mit Furigana
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かいそうろく
回想録
高村 光太郎
Lesen Sie 回想録 (かいそうろく) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.774 Zeichen · 71 Bildschirme
後には父に見せないで名前を入れて出した人もあるが、父は太っ腹なところがあって、「結局いいのだけが俺のになるのだ。」と言って何とも思っていなかった。そんな風だったが、金には縁がなく年中苦労していた。後々までそうで、晩年は父の作品も相当高くなったが、それは商人の間だけのことで、父は昔の勘定しか知らなかった。父の勘定の仕方は、一日の手間賃がいくらと決めて、幾日かかったからというので値段が出るのである。材料なども白檀とか特別のものになると違うが、普通のものは手間賃の中に入れて了う。基準になる一日の手間賃を、一円位上げようかなどと言って時々上げていたが、それにしても晩年十円位がせいぜいで、それ以上にはならなかったようだ。高くしようと思っても、その理窟でいくから、世間の人のようにはならない。「世間の人はよくとるが気の強いものだ。」などと言っていた。弟子の方が却って高くとっていた人もある位である。五六軒の商人が入替り立替り仕事を頼んでは出来たものを持って行ったが、商人は酷く儲けていたと見えて、父が死んだらその為に潰れたのが出来た位である。跡取りが駄目だからそれで潰れたのだと言って、私が恨まれたりした。