Japanische Klassiker mit Furigana
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あかげっと しなあちこち
国枝史郎歴史小説傑作選
国枝 史郎
Lesen Sie 国枝史郎歴史小説傑作選 (あかげっと しなあちこち) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.334 Zeichen · 121 Bildschirme
船中で(二)
米国人が沢山乗っていた。
所謂弗の国の住人だ。
何んと彼等がガツガツとオサケを飲んだことか!
そうだろう、兎も角も禁酒国ということになっている国の住人が金箔附きの飲酒国、日本の船へ乗ったんだからね、浴びる程酒を飲むのは当然だろうよ。
彼等が婦人を尊敬するということは世界の常識となっているがその常識を僕達は遺憾なく見せつけられたよ。たとえば彼等がスモーキングルームへ集まって話しをしているとして、其処へ彼等の仲間の婦人がやって来ると彼等は一斉に立ち上がって競うようにしてお愛想を云い大袈裟の身振をし、彼女がソファーへその巨大な腰を落ちつける迄立っているのだ。それも、幾人婦人がやって来ようとその都度やるのだ。友よ、ご免を蒙って或夜そのヤンキー達を前に据えて置いて、僕達夫妻が断然光ったという出来事の通信をすることを許してくれたまえ(と、少しばかり文章が気障となったが是も許して貰うことにする)航海の最終の夜、即ち二十日の晩に娯楽室でチー・ダンスが行われたと思ってくれたまえ。
船中で(二)
僕はタキシード、妻は純日本式夜会服を一着して押し出したものだ。そうして我等の同行者二十一人は、僕達二人を声援する可く部屋の一方の側に勢揃いをしたという訳だ。