Japanische Klassiker mit Furigana
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あかげっと しなあちこち
国枝史郎歴史小説傑作選
国枝 史郎
Lesen Sie 国枝史郎歴史小説傑作選 (あかげっと しなあちこち) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.334 Zeichen · 121 Bildschirme
三 白い糸
いずれは大臣の古手になることであろうが、東京に居られるのであるから、大臣の古手になったところで住み心地はよいに相違ない。
三 白い糸
徳冨蘆花に、『外交綺談』という著書がある。翻訳の短篇集であったような気がする。その中の一つに、白い糸をテーマにした物語があった。何んでも、ある外交官が、夜会帰りの外套の背中に、白い糸がついていたのを、ある婦人が「あなた、糸がついておりますよ」といって、取りすててくれた。さて、会場を出て、その外交官が、モスコーの通りを歩いてゆくと(この物語の舞台はロシアなのである)うしろから、人が近よって来て、その外交官を刺そうとしたが「おや、白い糸が無い」と云って外交官を刺すのをやめて立去った。……つまり、白い糸を外套につけた外交官を殺せという指令をうけた虚無党員が、それとめざした外交官を刺殺そうとしたところ、白い糸が無かったので、刺殺さずに立去ったというだけの話なのである。
僕がこの物語を読んだのは、中学の初年生ごろのことであって、その後、繰返えして読んだことはない。だから、おそらく物語の筋も、原作とは違っているかもしれない。
白い糸を取りすてた婦人は、あるいは、外交官の恋人であったかもしれない。