Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

もぐらとらくばん

土鼠と落盤

黒島 伝治

Lesen Sie 土鼠と落盤 (もぐらとらくばん) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.823 Zeichen · 36 Bildschirme

Aozora Bunko

「糞ッ!」井村は思った。

課長のあとから阿見が、ペコ/\ついて来た。課長は、石を掘り残しやしないか、上下左右を見まわしながら、鑿岩機のところまでやって来た。そして、カンテラと、金の金具のついた縁なしの眼鏡を岩の断面にすりつけた。そこには、井村の鑿岩機が三ツの孔を穿ってあった。

「これゃ、いゝやつに掘りあたったぞ。」

彼は、眼鏡とカンテラをなおすりつけて、鉱脈の走り具合をしらべた。「これゃ、大したもんに掘りあたったぞ、井村。」

井村は黙っていた。

「どうもこゝは、大分以前からそういう臭いがしとりました。」「うむ、そうだろう。」と阿見が答えた。

阿見は何か、むずかしげな学問的なことを訊ねた。課長は説明しだした。学術的なことを、こまごまと説明してやるのが、大学で秀才だった課長はすきなのだ。阿見は、そのコツを心得ていた。

「全く、私も、こゝにゃ、ドエライものがあると思って掘らしとったんです。」

「糞ッ!」

又、井村は思った。

課長の顔は、闇の中にいき/\とかゞやいていた。

間もなく、八番坑には坑夫が増員された。

課長は、鉱石の存在する区域をある限り、隅々まで掘りおこすことを命じた。