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Japanische Klassiker mit Furigana

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もぐらとらくばん

土鼠と落盤

黒島 伝治

Lesen Sie 土鼠と落盤 (もぐらとらくばん) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.823 Zeichen · 36 Bildschirme

Aozora Bunko

井村の推定は間違っていなかった。それは、恐ろしく巨大な鉱石の塊だった。

「あんたは、自分の立てた手柄まで、上の人に取られてしまうんだね。」

タエは、小声でよって来た。カンテラが、無愛想に渋り切った井村の顔に暗い陰影を投げた。彼女は、ギクッとした。しかしかまわずに、

「たいへんなやつがあると自分で睨んだから、掘って来たんだって、どうして云ってやらなかったの。」

なじるような声だった。

「やかましい!」

「自分でこんな大きな鉱石を掘りあてときながら、まるで他人の手柄にせられて、くそ馬鹿々々しい。」

「黙ってろ! やかましい!」

黄銅鉱は、前方と、上下左右に、掘っても/\どこまでもキラ/\光っていた。彼等はそれを掘りつゞけた。そこは、巨大な暗黒な洞窟が出来て来た。又、坑夫が増員された。圧搾空気を送って来る鉄管はつぎ足された。まもなく畳八畳敷き位の広さになった。

それから十六畳敷き、二十畳敷きと、鑿岩機で孔を穿ち、ダイナマイトをかけるに従って洞窟は拡がって来た。

「これゃ、この塊で、どれ位な値打だろうか。」

「六千両くらいなもんだろう。」

彼等は、自分で掘り出す銅の相場を知らなかった。