Japanische Klassiker mit Furigana
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なつのよのぼうけん
夏の夜の冒険
平林 初之輔
Lesen Sie 夏の夜の冒険 (なつのよのぼうけん) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.930 Zeichen · 12 Bildschirme
私たちはどんどん叩いた。
――ごめん下さい……今晩は……と大きな声でどなった。
それでも家の中はしずまりかえっていて返事がない。
癪にさわるのでますますひどく木戸を叩きつづけた。
最初、何事だろうと思って近所の人が起きてきた。
そのうちに、やっと、玄関にあかりがさした。そして、いかにものろい動作で戸があけられた。
――貴方がご主人ですか?
――はあ。
主人というのはまだ三十五六位のおとなしそうな男だった。
――ずいぶん声をかけたのですが聞こえなかったんですか?
――ちょうど寝入りばなだったものですから。
――ではおやすみになっていたんですか?
――はあ。
私と主人が話をしていると、いきなり後ろから時国がどなりつけた。
――おい、君は今きいておればねていたんだそうだが、君の子供がいまどうなっているか知ってるのか?
――…………
――君の子供はいま死にかかってるんだぞ。
――今頃になって自分の子供が帰ってこないのに、三十ぺんも戸をたたかねば眼がさめんほど熟睡しているなんて、それでも君は親か? 人間か?
――ずい分さがしてみたんですけれど。……
――わからなかったからねてしまったっていうのか? 馬鹿ッ。