Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なつのそうれつ

夏の葬列

山川 方夫

Lesen Sie 夏の葬列 (なつのそうれつ) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.161 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

そうだ、じゃ、これからはひとつ、日に二冊を「日課」にしてやろうか?

……だが、そんな独白の無内容も、ぼくにはわかっていた。それは、いわばぼくの恐慌が吐き散らした無意味な悲鳴でしかないのだ。無数の健康という暴力の接近から目をそらすためだけの、そう、たとえば海底で吹くカニの泡のように、口を出たとたんにふらふらと頭上にのぼって行き、やがてポツンと水面に消えてしまうような、空ろで架空なただの不機嫌やおびえの排泄にすぎない。

――思いながら、ぼくは壁にボールをぶつけつづけていた。と、突然ぼくはいま、ただの惰性で腕を振り動かし、壁とボールの受け取りっこをくりかえしている自分が、まるで屋上の強い風にいいようにおもちゃにされているたよりない風船のような気がしてきた。……そのとき、たしかにぼくは紙風船のように軽やかで、索漠としたやけに風とおしのいい自分のなかの空洞、ぼくのなかの空白な充実だけを抱きつづけて風のまにまに漂う、一個のただの無内容な袋でしかなかった。

バカバカしく、ぼくはもはやボールを投げつづけるだけのハリも持てなかった。ころげてきたボールを拾おうともしないで、ぼくはしょんぼりといつも食事をする隅にあるいた。