Japanische Klassiker mit Furigana
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よなきてっこつ
夜泣き鉄骨
海野 十三
Lesen Sie 夜泣き鉄骨 (よなきてっこつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.273 Zeichen · 31 Bildschirme
わしは、珍客の来訪にあって、だだっ広い、合宿の舎監居間の一室へ招じ入れた。
「今日は、何の御用かな」わしは尋ねた。
「実は一つ聴いていただきたいことがあるのでして……」横瀬は、例のモジャモジャ頭髪に五本の指を突込むと、ゴシゴシと掻いた。
「どんな話かしらぬが、言ってごらんなせえな」わしはチラリと、置時計の方を見たが、もう午後十時に近かった。
「じゃ、聴いて貰いますか」そう云って横瀬は、莨を一本、口に銜えた。「これは、俺の知っている、或る男の、素晴らしい計画なんだ。ねえ、その男は、自分の情婦を、若い男に失敬されちまったんだ。いや、おまけに、情婦というのが、若い男の胤を宿しちまった。いいですか。これが普通の場合だったら、旦那どの胤だと、胡魔化せるんだが、生憎と、その旦那どのというのは、女に子を産ませる力がないことが医学的に判っているのだ。それで、胎の子を、胡魔化しようもないので、若い二人は秘かに会って泣きながら相談した。いい智恵も見付からぬ裡に、女の身体はだんだんと隠せない程、変ってくる。とうとう仕方なしに、胎の子には罪なことだが、堕胎をすることに決心をした。