Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆめじゅうや
夢十夜
Lesen Sie 夢十夜 (ゆめじゅうや) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.992 Zeichen · 33 Bildschirme
第五夜
けれども爺さんは、とうとう上がって来なかった。
第五夜
こんな夢を見た。
何でもよほど古い事で、神代に近い昔と思われるが、自分が軍をして運悪く敗北たために、生擒になって、敵の大将の前に引き据えられた。
その頃の人はみんな背が高かった。そうして、みんな長い髯を生やしていた。革の帯を締めて、それへ棒のような剣を釣るしていた。弓は藤蔓の太いのをそのまま用いたように見えた。漆も塗ってなければ磨きもかけてない。極めて素樸なものであった。
敵の大将は、弓の真中を右の手で握って、その弓を草の上へ突いて、酒甕を伏せたようなものの上に腰をかけていた。その顔を見ると、鼻の上で、左右の眉が太く接続っている。その頃髪剃と云うものは無論なかった。
自分は虜だから、腰をかける訳に行かない。草の上に胡坐をかいていた。足には大きな藁沓を穿いていた。この時代の藁沓は深いものであった。立つと膝頭まで来た。その端の所は藁を少し編残して、房のように下げて、歩くとばらばら動くようにして、飾りとしていた。
大将は篝火で自分の顔を見て、死ぬか生きるかと聞いた。これはその頃の習慣で、捕虜にはだれでも一応はこう聞いたものである。