Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆめじゅうや
夢十夜
Lesen Sie 夢十夜 (ゆめじゅうや) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.992 Zeichen · 33 Bildschirme
第二夜
しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、自分は女に欺されたのではなかろうかと思い出した。
すると石の下から斜に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。と思うと、すらりと揺ぐ茎の頂に、心持首を傾けていた細長い一輪の蕾が、ふっくらと弁を開いた。真白な百合が鼻の先で骨に徹えるほど匂った。そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。自分は首を前へ出して冷たい露の滴る、白い花弁に接吻した。自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。
「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。
第二夜
こんな夢を見た。
和尚の室を退がって、廊下伝いに自分の部屋へ帰ると行灯がぼんやり点っている。片膝を座蒲団の上に突いて、灯心を掻き立てたとき、花のような丁子がぱたりと朱塗の台に落ちた。同時に部屋がぱっと明かるくなった。
襖の画は蕪村の筆である。黒い柳を濃く薄く、遠近とかいて、寒むそうな漁夫が笠を傾けて土手の上を通る。床には海中文殊の軸が懸っている。