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Japanische Klassiker mit Furigana

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むゆうびょうしゃのし

夢遊病者の死

江戸川 乱歩

Lesen Sie 夢遊病者の死 (むゆうびょうしゃのし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.121 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

夜半にムクムクと起上って、その辺を歩き廻る。そんなことはまだお手軽な方だった。ひどい時には、夢中で表の締りを――それが住み込みで勤めていた木綿問屋のである――その締りを開けて、一町内をぐるっと廻って来て、又戸締りをして寝て了ったことさえあるのだ。

だが、そんな風のこと丈けなら、気味の悪い奴だ位で済みもしようけれど、最後には、その夢中でさ迷い歩いている間に、他人の品物を持って来る様なことが起った。つまり知らず知らずの泥坊なのである。しかも、それが二度三度と繰返されたものだから、いくら夢中の仕草だとはいえ、泥坊を傭って置く訳には行かぬというので、もうあと三年で、年期を勤め上げ、暖簾を分けて貰えようという惜しい所で、とうとうその木綿問屋をお払箱になって了ったのである。

最初、自分が夢遊病者だと分った時、彼はどれ程驚いたことであろう。乏しい小遣銭をはたいて、医者にもみて貰った。色々の医学の書物を買込んで、自己療法もやって見た。或は神仏を念じて、大好物の餅を断って病気平癒の祈願をさえした。だが、彼のいまわしい悪癖はどうしても治らぬ。いや治らぬどころではない、日にまし重くなって行くのだ。