Japanische Klassiker mit Furigana
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あやかしのつづみ
夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓
夢野 久作
Lesen Sie 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.558 Zeichen · 153 Bildschirme
と云いながらポツポツと話し出した。それが「アヤカシの鼓」の由来で私にとっては全く初耳の話であった。
……ところで……
と父は白湯を一パイ飲んで話し続けた。
「……実はおれもこの話をあまり本気にしなかった。名高い職人にはよくそんな因縁ばなしがくっついているものだから……東京に来ても鶴原家がどこにあるやら気も付かず、また考えもしなかった。
すると今から三年ばかり前の春のこと、朝早くおれが表を掃いていると二十歳ばかりの若い美しいはいからさんが来て、この鼓の調子を出してくれと云いながら綺麗な皮と胴を出した。おれは何気なく受け取って見ると驚いた。胴の模様は宝づくしで材木は美事な赤樫だ。話にきいた『あやかしの鼓』に違いないのだ。そのはいからさんはその時こんなことを云った。
『私は中野の鶴原家のもので九段の高林先生の処でお稽古を願っているものだが、この鼓がうちにあったから出して打って見たんだけど、どうしても音が出ない。何でもよっぽどいい鼓だと云い伝えられているのだから、音が出ない筈はないと思うのだけど』
と云うんだ。おれは試しに、
『ヘエ。その云い伝えとはどんなことで……』