Japanische Klassiker mit Furigana
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おおとねのおおものつり
大利根の大物釣
石井 研堂
Lesen Sie 大利根の大物釣 (おおとねのおおものつり) von 石井 研堂 (いしいけんどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.600 Zeichen · 17 Bildschirme
と力無き返事せるのみにて、気乗りせず、尚悔恨の淵に沈む。
やがて、豁然として我に返り、二タ仕掛の綸を、餌入の上に致し、一箱のマッチを傾けて火を点ずれば、濡れたるものながら、火※(「陷のつくり+炎」、第3水準1-87-64)を高めてぱっと燃え、奇臭鼻をつく。船頭見て愕き、走り来りて、
『どうなさいますのです。何かお腹立ちなのですか。』と、燃え残りの綸屑※屑を掻き集めて、再び燃さんとせし漁史の手をおさえて言う。
漁『其様なわけでないのだから、決して悪く思って呉れては困るよ。僕は、今夜はよす。』
船『其様な気の弱いことっては有りますか。お行りなさい、私の仕掛も有りますし。』
漁『仕掛は、僕の方にも有るが、もう行らない。彼是一時間かかって痿やしたものを、逸らすなんて、余り気の利かない話しだから、記念の為めに、今夜は帰るよ。』
漁『どんなのでも、懸ったら最後、逃しっこ無しというが、真の釣だろう。それを、中途で逸らすようでは、岡っ張で、だぼ沙魚を対手にしてる連中と、違い無いさ。随分永らく釣を行った癖に、今夜の不首尾は、自分ながら呆れるよ。それやこれやに就て、思えば思う程、浅草の方は感心で堪らぬ。