Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おおえどおうごんきょう

大江戸黄金狂

野村 胡堂

Lesen Sie 大江戸黄金狂 (おおえどおうごんきょう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.754 Zeichen · 53 Bildschirme

Aozora Bunko

「海――」

あまりの事にお滝は立上って手を振りました。月光に半面を照された海道丸の顔は、悪魔的で高慢で、もう先刻までの俤もありません。

「第一俺は十三や十四じゃ無えんだぜ、百年越の怨を酬すように、餓鬼のうちから吹込まれて、根性曲りに育てられたから、一向身体は伸びないが、これでも取って十九よ、いい若い者だよ」

一瞬淋しそうな苦笑いが、海道丸の頬をよぎります。

「お前は誰だ」

雲水空善は一喝をくれました。

「早くそれに気が付きゃよかったんだよ、坊さんはさすがに智慧がありそうだ、――考えて見るが宜い、大久保石見守の子孫、七家の人間を百年も見張って、敵を討つ折を狙って居るのは、一体誰だと思うんだ」

「――――」

「解らないのか、その骸骨の五代目の孫だよ」

「それじゃ、話に聴く石坂左門次の――」

空善は、何んとなく、ぞっとしました。丈太郎もお滝も、あまりの事に、口もきけません。

「その通り、此処へ七万両の金を隠してやったばかりに、此穴の中で、大久保石見守に殺された、石坂左門次の孫の子の子だ、――石坂左門次の配偶は、この怨を忘れないように、代々子から子に言い伝えて、大久保家の子孫七人の身の上を調べ抜き、百年目の俺の代になって漸く望を遂げたのだ」