Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
「これは見たような女だ」
駒井が、じっと見入ったのも道理、そのうちに一枚の美人の首だけがありました。
これは模写でもなければ、想像でもありません。まさしく、モデルがあって描いておいたスケッチの類である。しかもその美人の面影に、どうも見覚えがある――と思ったが、駒井は、咄嗟には思い出せませんでした。しかし、それも、もう一枚めくって見れば、難なく解決されたことで、そこには前に首だけ写生しておいた美人の全身が、妙な旋律を起しながら、胸に物を抱いて、舞を舞うているところが描かれてありました。
暗澹たる燈火の下で、栄之の絵にあるような、淋しい気品のある美人が踊っている。その両袖にしかと抱いているのは人形の首――ではない、乾坤山日本寺の羅漢様の首。ははあ、白雲はあの狂女をつかまえたのだなと駒井が合点しました。
風呂から上って、駒井甚三郎の衣裳を着せられた田山白雲の形は、珍妙なものとなりました。それは白雲が大兵の男であるのに、駒井の普通の丈は合わず、ことに着慣れない筒袖が、見た眼よりも着た当人を勝手の悪いものにして、ちょいちょい肩をすぼめてみる形が駒井を笑わせる。