Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme

Aozora Bunko

道庵は、蕎麦のことなんぞは打忘れて、米友を促すと共に、丸くなって脇道へ走り込んでしまいました。

米友とても、大名の行列があんまり好きではない。

けれども、先生のように丸くなって逃げる必要はないと思う。大名に借金があるわけではなし、こんなに丸くなって逃げなくてもいいと思うが、道庵がやみくもに逃げ出したものですから、米友もまた、そのあとを追わないわけにはゆきません。

やみくもに逃げた道庵は、ついに畑の中へ飛び込んで、桑の木へ衝突して、ひっくり返り、そこであぶなくとりとめました。桑の木がなければどこまで飛んで行ったかわかりません。そこへ駈け寄った米友が、

「先生、怪我はなかったかい」

「おかげさまで……」

畑の中へひっくり返って、羽織をほころばした上に、土をかぶった有様は、見られたものではありません。米友がそれを介抱して、それから廻り道をしてまた本街道に出ると、ちょうど通りかかりの駄賃馬を、道庵が呼び留めました。

値段をきめて、深谷まで二里二十七町の丁場を、ともかく馬に乗ることにきめました。

いよいよ、馬に乗る段になると馬方が、

「旦那、それじゃあ向きが違いますぜ」