Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
「金太の野郎が、おいらの墨をなめました」
「なめやしないやい、香いをかいでみたんだい、こんな物をなめるかい」
「いけません、人の墨や筆を、だまっていじるものじゃありません」
「あ、先生、宇八が、あとから、おれの頭の毛をひっぱりました」
「いけません」
「お師匠様」
「何ですか」
「三ちゃんが、ここの道場へはお化けが出るって言いました」
「旅のお侍に聞いたんです」
「そんなことをいうもんじゃありませんよ」
「お師匠様、川っていう字は真中から先に書くんですね、端から書いちゃいけないですね」
「そうです、真中から先にお書きなさい」
「先生、おたあは字を書くふりをして、人形の頭を書いています」
「うそだい、うそだい」
「うそなもんか、これ見ろ、墨がこの通り坊主頭になってらあ。先生、おたあは字を書くふりをして、こんな坊主頭を書きました」
「いけません……それから周造さん、お前さんも、人のいいつけ口をするものじゃありませんよ」
「先生、おたあがおいらを睨みました、帰りに覚えてろといって、拳固をこしらえて見せました」
「静かになさい。多造さん、人をおどかしてはいけませんよ。それから周造さんも、おたあといわずに、ちゃんと多造さんとおいいなさい」